life+×木づくり工房

一枚板専門店 「チギリ(契り)」は、木と人の絆。一枚板の割れを芸術に変える魔法のピース

割れを隠さず、美しさに変える

一枚板の製作過程で、乾燥によって生じる「割れ」。一般的には欠点と見なされがちなこの現象を、私たちは一枚板の「個性」として捉え、特別な技法でデザインへと昇華させます。

その主役が、蝶々のような形をした木のパーツ**「チギリ(契り)」**です。

天板にアクセントとして埋め込まれたチギリを見て、「これは何のためにあるの?」と不思議に思ったことはありませんか?実はこの小さなピースには、木材を一生守り抜くための驚くべき構造力学と、職人の美学が詰まっています。


Part 1:チギリの役割:構造的な「ストッパー」

チギリは単なる飾りではありません。その名の通り、木と木を「契らせる(繋ぎ止める)」重要な役割を持っています。

1-1. 割れの進行を物理的に止める

木材が乾燥し、割れが広がろうとする力は非常に強力です。そこに、繊維方向を計算して切り出した硬い木材の「チギリ」を、割れをまたぐように埋め込みます。

  • 引張強度: 割れが左右に開こうとする力を、チギリの「くびれ」部分がしっかりと受け止め、それ以上割れが進行するのを物理的に阻止します。

1-2. 埋め込みの「精度」が寿命を決める

チギリの穴を掘る際、1ミリの隙間も許されません。

  • プロの技術: 天板の穴とチギリのサイズが完璧に一致していなければ、乾燥した際にチギリが浮いてきたり、強度が不足したりします。吸い付くようにピッタリと収まったチギリは、天板と一体化し、数百年続く安定感をもたらします。


Part 2:デザインとしての「契り」の美学

機能から生まれたチギリは、現代では一枚板の表情を彩る重要な「デザインアイコン」となっています。

2-1. 樹種のコントラストを楽しむ

天板の色と異なる樹種のチギリを選ぶことで、美しいコントラストが生まれます。

  • ウォールナット天板 × メープルのチギリ: 黒い天板に白い蝶が舞っているような軽やかさ。

  • トチ天板 × 黒檀のチギリ: 明るい天板に黒いアクセントが加わり、空間をキリッと引き締める高級感。

2-2. 配置のセンス:職人の「景色」作り

「どこに何個、どの角度でチギリを入れるか」。これは職人のセンスの見せ所です。 割れの形状に合わせて、リズム感を持って配置されたチギリは、あたかも最初からそこにあるべきだった芸術のように、一枚板の景色に溶け込みます。


Part 3:レジンとの「ハイブリッド」な共演

最近では、割れをレジン(樹脂)で埋め、さらにその上からチギリを施す「ハイブリッド仕上げ」も人気です。

  • 奥行きのある美しさ: レジンの透明感と、木製のチギリの質感が重なり合うことで、伝統的な和の技術と現代的なモダンデザインが融合した、今までにない表情が生まれます。


結び:傷を「誇り」に変える、職人の手仕事

一枚板にチギリが入っていること。それは、その板が激しい乾燥を乗り越え、人の手によって丁寧に手当てされた**「克服の証」**です。

完璧に綺麗な板も素晴らしいですが、チギリという「手当て」が施された板には、どこか温かみと、物語を感じる力があります。

次にショップでチギリを見かけた際は、ぜひその蝶々の形をそっと撫でてみてください。そこには、「この板を一生守る」という、職人の静かな決意が込められているはずです。

この記事を書いた人

有村 翼

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【life+×木づくり工房】では、国産材・輸入材を使用した一枚板テーブルやレジンテーブルを販売しております。他にはないこだわったデザインを、腕のある木づくり工房で製作。家の中にあるだけで一気におしゃれな空間へ。テーブルだけではなくご要望に応じたオーダー家具も受注制作いたしますのでぜひお問合せ下さい。

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