【“木とレジンで描く物語”──自然と人の手が生み出す新しい家具のかたち】

木を削り、磨き、形にしていく。

それはまるで、自然と対話をしているような時間です。

私たちは、木材に触れるたびにその中に宿る“物語”を感じます。

ひとつの一枚板には、何十年、何百年という年月が刻まれています。

木目の流れは風の記憶、節は大地の証。

そのどれもが自然が描いた芸術であり、人の手で再現できるものではありません。

しかし、自然がつくったままでは使いづらい形もあります。

割れ、欠け、反り――それらをどう生かすか。

その答えのひとつが、「レジン」という素材でした。

透明なレジンを流し込むと、木の割れ目が光を透かして輝き出す。

木の欠けた部分が、まるで小川のように滑らかに流れていく。

初めてその光景を目にしたとき、「木がもう一度、息を吹き返した」と感じました。

それ以来、私たちは“木を生かす家具”づくりにのめり込んできました。

レジンテーブルの魅力は、ただ美しいだけではありません。

その存在感が空間の主役になり、人の集まる場所をより温かくします。

木の温もりと、レジンの冷ややかな透明感。

その相反する質感が、居心地のよい緊張感を生み出すのです。

私たちの工場では、床材の加工から始まり、今では一枚板や造作家具、雑貨、ブリケットなど、

木に関わる幅広い事業を展開しています。

「木をどう生かすか」を常に考えながら、職人たちは木と向き合っています。

ただ、どれだけこだわっても、その魅力を広めるのは簡単ではありません。

派手な広告や宣伝をしていないため、知ってもらう機会が少ないのが現状です。

けれども、手に取ってくださった方から「この木の表情が忘れられない」「家族が集まる時間が増えた」という言葉をいただくたびに、

私たちは静かに確信します。

“本当に良いものは、言葉ではなく存在で伝わる”。

私たちは、木の魅力をそのまま届けたい。

自然と人が一緒に作り上げた家具が、誰かの暮らしの中で新しい物語を紡いでいくことを願っています。

木が描いた線と、レジンが流した時間。

それらが一枚のテーブルの上で交わる瞬間、

あなたの暮らしにも、新しい物語が始まります。