life+×木づくり工房

一枚板専門店 「こんなにいいものなのに、知られていない」──それが一番、もったいないと思うから。

無口な職人が語る、木と向き合うということ──一枚板に命を吹き込む“最後の手”

家具店やインテリア雑誌には、美しく磨かれた一枚板の写真が並びます。

でも、その“美しさ”は、ただの自然の力だけではありません。

そこには、人の手が、想いが、静かに宿っているのです。

今回は、そんな一枚板を支える「職人」の仕事に光を当ててみたいと思います。


■ 「削りすぎたら、木が泣く」──削るのではなく“寄り添う”

「削って磨いてるように見えるけど、違う。木と対話してるんや」

そう語るのは、長年一枚板を扱ってきたある職人。

一枚板は、ただの板ではありません。

年輪も、節も、曲がりも、それぞれがその木の「履歴」。

削りすぎれば、木の表情がなくなる。

無理に真っ直ぐにすれば、板の個性が死ぬ。

「木の“言い分”を聞きながら整えていくんやで」

まるで人を相手にするような、静かで繊細な仕事なのです。


■ “傷”ではなく“景色”──見え方を変える仕上げの魔法

一枚板には、虫食いや割れ、節の抜けなど、

一般的には“欠点”とされる部分がよくあります。

でも、職人の目にはそれが“魅力”に映る。

  • 鉄媒染で濃淡を加え、木目を引き立てる

  • 欠けた部分に黒い樹脂を流し、模様のように生かす

  • 節の周りに焼き加工を加えて深みを持たせる

まるで絵を描くように、“素材の声”を引き出していくのです。

「誰かが“傷”って言ってもええ。でも、うちではそれも“景色”や」

そんな言葉に、木と共に生きる者の覚悟を感じます。


■ 仕上げに数日、迷いに数年──量産とは違う“時間の流れ”

一枚板の仕上げは、一日で終わりません。

表面を磨き、乾かし、また磨き…

ときには**「やり直す勇気」も必要**です。

「この木は、今こうやって仕上げていいか?」

「湿度が高い今日、ここを削っていいか?」

自然素材だからこそ、“その日の木の機嫌”すら見て判断します。

「木の顔が変わるまで、焦って仕上げない」

「20年の木には、20年分の敬意を払う」

その時間こそが、他にはない「一点もの」を生むのです。


■ 最後に:光を浴びない“手”があるから、板が生きる

世の中には、派手な広告やかっこいいショールームがあります。

でも、そこに並ぶ一枚板の奥には、

静かに木と向き合い続ける職人の背中があります。

お客様の元に届くその日まで、

誰にも見られず、誰にも知られず、

ただ丁寧に、ただ誠実に、木と話し続ける。

その手があるからこそ、

一枚板は**“家具”ではなく、“物語”になるのです。

この記事を書いた人

有村 翼

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和歌山県和歌山市東田中297-1
営業時間 9:00~18:00
定休日 不定休
代表者名 有村 翼
E-mail info@life-kidukuri.com

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