一枚板にも“相性”がある？あなたに合う木の見つけ方

家具選びって、つい見た目やサイズ、価格で決めがちですよね。

でも、一枚板の世界には、**“相性”**という不思議な感覚が存在します。

「なんとなく惹かれる」

「この木だけ、忘れられない」

そんな気持ちになることが、実際にあるんです。

それは、きっと“木と人”にも相性があるから。

■ 木にも性格がある？

例えば、こんな特徴があります：

• ケヤキ：力強い木目。堂々とした存在感。頼れる兄貴タイプ。

• ウォールナット：落ち着いた深み。上質な大人の空気感。寡黙で頼れるパートナー。

• トチ：柔らかな白さと揺れるような木目。穏やかで優しい。やわらかい雰囲気が好きな方に。

• 栗（クリ）：堅牢でしっかり者。主張しすぎないけど、芯のある存在。

こうして見ると、まるで人の性格診断みたいですよね。

だから、「好き」と感じる木には、自然と自分に合う何かが宿っているのかもしれません。

■ “惹かれる理由”は、頭じゃなくて心でわかる

工房や展示場で一枚板を見ていると、たまにこんな声が聞こえます。

「最初は別の木を見に来たんですけど、どうしてもこれが気になって…」

「一回帰ったけど、やっぱりこの木のことが頭から離れなくて」

これってもう、“相性”に出会ってしまった証拠。

洋服や雑貨と違って、一枚板は暮らしに深く入り込むものだから、理屈よりも“感覚”が頼りになるんです。

■ どの木が自分に合うか、迷ったら？

そんなときは、無理に決めようとしなくて大丈夫。

実際に木に触れて、近くで見て、空気を感じてみてください。

• 「木目の流れが気持ちいい」

• 「この色が落ち着く」

• 「この節、なぜか好き」

そういった直感こそが、相性のサインです。

私たち職人も、無理にオススメはしません。

その人に合う一枚を、一緒に“見つけにいく”気持ちです。

■ 家に迎えてから、もっとわかる“相性”

面白いことに、一枚板は家に置いてから“本領発揮”することが多いんです。

「昼と夜で表情が違う」

「陽の光で木目が浮かび上がる」

「家族の集まる時間が自然と増えた」

相性がよければ、その木はあなたの暮らしにどんどん馴染んでいきます。

逆に、相性が悪ければ…そもそも購入にまで至らない。不思議と、選ばないものなんです。

■ 最後に：出会いは“選ぶもの”じゃなく、“気づくもの”

「一枚板を選ぶ」って、

モノを手に入れるというより、

“相性のいい木に気づく”ことに近いのかもしれません。

家具ではあるけれど、

人と暮らしを支える“生きた素材”として、木はいつも静かに待っています。

もしあなたが、どこかの板を見て「なんとなく気になる」と感じたら──

それがきっと、最初のサイン。

木との相性は、あなたの感覚が教えてくれます。